12月2日(水)
❶女性からのSOSが急増している。11月以降の私自身の対応件数の半数を占める。80%以上が10代と20代で占めている。昨日のクローズアップ現代で「急増!コロナで派遣切り。生活苦から性風俗に転じる女性たち」が特集されていた。女性の多くが非正規、派遣やサービス業を解雇され、生きるために性風俗の仕事に足を踏み入れる。未成年の少女たちが大きな危険にさらされている。家族との関係がうまくいっていない少女がコロナにより孤立している。今日のSOS対応で出会った女性は二人、アパート入居面談で支援継続中の一人、計三名も10代と20代だった。
❷午前にお会いした女性は、私が登場したNHK
BS1スペシャル「東京リトルネロ」を見てくれていた。昼間は大学に通いながら、夜は性風俗の仕事を掛け持ちして、学費を自ら払い、病身の親と弟たちの生活費も稼ぎ支えている。世帯分離したうえでの親の生活保護申請の相談にいったら福祉事務所から追い返されたという。ひたすら家族を支えるだけに一生懸命生きる19歳、小さな幸福すら経験してこなかった。家族を支える事だけが人生のモチベーションだという。でも崖からいつ落ちて死んでも不思議じゃない。「いつ死んでもいいと思っている」と言いながら彼女は笑った。彼女のTwitterを読ませてもらった。涙が止まらない。家賃未払いで来月には追い出されると書いてある。でも彼女は今日、この話題に触れなかった。
➌昼間にアパート入居に向けて対応した20代の女性、テレビ業界で働いていたが業界特有の激務と低賃金で精神的な病を患い、仕事を続ける事ができなくなった。もう非正規の仕事しかない。コロナで仕事を失い、住まいも追い出された。所持金1円の状態でSOS、会った時は、死ぬ事が恐くて泣いていた。とりあえず今日は嬉しそうだ。新たなアパート暮らしの希望が芽生えてきた。
❹夜、SOSでお会いしたのは女子高校生だった。コロナ感染拡大以降、親との関係が悪化して家を出た。詳しくは書かない。親も貧困で頼れないというケースが多い、シングルマザー家庭も少なくない。親自身もイラつく事ばかりの日常。急速な親との関係悪化、こうした事実を見ても、やはり「家族」は急速に、セーフティネットとしての機能を失っている。
❺今日は他に自立生活サポートセンターもやいを訪問して、生保申請同行した2名の40代の男性のアパート入居の打ち合わせ、Sさんは路上から、SOSを受けた時に高血圧で体調が悪く、医療優先で対応した。今日はじめて聞いた。長い間、困窮状態で暮らしてきたが、ある教会の高齢シスターの生活サポートを陰で続けていたのだ。出会ってから人一倍人懐っこく頼りないSさん。自分自身が身体ヤバイ状態なのに高齢シスターの身の回りの世話を続けていたのだ。人一倍の寂しがりやのSさんとは長いつきあいになりそうだ。
❻夕方はワーカーズコープ本部で『反貧困・しごとおこしネットワーク㏌TOKYO(仮称)」交流会』の企画検討会、新型コロナ災害緊急アクションとワーカーズコープが協働して12月12日に開催する。住居を支援しても、コロナ禍で仕事が見つからない。安定した職場で就労できない。アパート等で、孤立、引きこもっている相談者が多い。当事者同士の横のつながりがつくれていない。外国人の就労問題も深刻だ。コロナ禍によって、たくさんの困難を抱えてきた当事者が孤立しないように、その人にあった仕事が見つかるように、そして主体的に参画できる当事者の就労ケアと、主体者として働く場づくりをどう進めていくかを考えていきます。